打田 翠《心象》2025、陶
GALLERY crossingでは11月8日(土)〜11月23日(日)まで、陶芸家・打田 翠による個展を開催します。
打田 翠は1983年兵庫県生まれ。大阪芸術大学で陶芸を学んだ後、2007年に多治見市陶磁器意匠研究所を修了。以来、岐阜県を拠点に制作を続けています。近年は偶然性の高い炭化焼成による焼締を中心に制作を続け、焼成によって生じる現象そのものへのアプローチを深めながら、ギャラリーや美術館での発表を重ねてきました。打田は一貫して、自身の内にある風景を探り続けています。土と炎の微細な変化に目を澄まし、窯の中に揺らめく界景を掬い取るように生み出される作品には、単に現象をうつす行為を超えた力強さと静かな詩情が宿っています。「風跡」と題された今展では、内側から滲むような絵画的表情がより深まった新作を発表します。時、心の動き、空気の流れ、といった不可視ながら確かに存在するものを眼差し、受け止める静かな観察が作品に現れています。 また、これまで長く岐阜の山中を拠点に制作を続けてきた打田は、この展示を一区切りに瀬戸内へと拠点を移します。美濃の風土に育まれた彼女の陶歴において一つの章が結ばれ、次幕へ続く節目の展覧会として、新たな土地で生まれる景色への予感とともに、力のこもった新作をご高覧いただく機会となれば幸いです。
打田 翠《心象》2025、陶
打田 翠《心象》2025、陶
打田 翠《心象》2025、陶
打田 翠《心象碗》2025、陶
打田 翠、2025、陶