阿曽 藍人（あそ・らんど）は1983年奈良生まれ、金沢美術工芸大学工芸専攻陶磁コース修了。その後2010年に常滑市立陶芸研究所修了。阿曽は、空間や自らの身体感覚などに関心を持ち、これまで屋内外でのインスタレーションを多数発表（大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ（2015）、愛知県陶磁美術館（2015）、美濃加茂市民ミュージアム（2021））。土を捏ね、中空の立体を作る過程で、その内部にある見えない空間へアプローチするように造形するという作品は、その造形の内側に圧縮された空間を内包しています。黒く磨かれた土塊は空間に重厚な質感を与え、見るものの内なる感情を引き摺り出すような重力を持つ造形物は、つい触れたくなるような柔らさと、力強さが魅力です。