GALLERY crossingでは4月13日(土) – 28日(日)までの期間、オーストラリアのシドニーを拠点に活動するアーティスト、Alana WILSON(アラーナ・ウィルソン)の個展「Land, Land, Island」を開催いたします。
アラーナ・ウィルソンは、ニュージーランド国籍を持ち、オーストラリア・シドニーを拠点に制作を行うアーティストです。陶を主なメディアとし、シドニーのスタジオの他にも、世界各地に滞在し、リサーチと制作活動を行っています。
土地とその風景に根ざした民族的アイデンティティ、遺跡や発掘品などに紐づく人の営みとヒューマニズム、自然と人間の相互関係などへのリサーチを重ねて制作される作品は、陶芸技術の長い歴史に内包される、古代の人々が生きた軌跡と、それらの延長線上に立つ現代の私たちへの時間的繋がりを暗示し、地球環境を破壊し続けながら生きる人間と自然との関係性に問題を提起しています。
ウィルソンの作品は様々な地域、時代の器から要素をうつしながら、繰り返される実験的な釉薬と焼成によって独自の作品世界を構築しています。作品の多くはうつわのフォルムを借りながら、実用を主題とせず、狭義の陶芸の枠組みを越えて制作されています。土地や風景に紐づく自然物を素材にし、それらにアプローチする作陶の手跡と窯の中で起こる自然物の化学変化そのものを示すことで、人間の行為と自然のふるまいの両方を作品に記録しています。
本展では、ウィルソンが2020年から取り組む、オーストラリアにおける植民地化と、先住民族の伝統再生を通じての脱植民地化への試みについてのリサーチを元に制作されたシリーズ、約20点の新作で空間を構成します。様々なものを侵略し、破壊し、調和の失われた今を生きる私たちへの、現在進行形の問いかけと、大地そのものへの慈愛と敬意に満ちた作品群。どうぞお見逃しなく、ご高覧ください。
初日4月13日(土) 16:00より、アラーナ・ウィルソンによるアーティストトーク(日本語通訳有り)を開催します。