GALLERY crossing

CURRENT 小林夏美

断片的な会話

2025年2月15日(土) - 2025年3月1日(土)
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13:00-17:00
水曜・木曜休業
作家在廊日 2/15

《Light moves》2024, Flame size: 89.7cm x 70.4cm

小林夏美は、近くと遠く、内と外を行き来する視点をひとつの画面に重ね、「眺めたもの」ではなく「眺めることそのもの」を描いている。作品は、版画でありながら複製をしないモノプリントの手法で制作され、その版は薄いアルミ箔でできている。彼女が独学で得たというその制作方法は非効率でか弱いが、まなざしの断片を複数の版に分け、重ねることで、視線の移ろいは可視化され、まなざしの反復が強度を得る。抑えた色彩と静かな画面構成に、世界を眺める行為そのものへの観察眼と、日常風景に新たな意味を見出すまなざしの深さが宿っている。日々の近景を眺めることの延長線上に、はるか遠くの眺めがある。日常の些細な出来事が積み重なることの尊さ。それらを眺める自らの距離について考えさせられる。

《Light moves》2024

《Light moves》2024, Flame size: 65cm x 61.7cm

《Light moves》2024