
《みしき#20》2024, 漆、枝、粘土、金など
見たことがあるような枝や石が漆と合体し、見たことのない姿で並んでいる。謎かけのよう に組み合わされ、そこはかとなくユーモアをまとった造形物をじっと眺めているうち、気づけば自分の身体が小さくなった感覚で、それらの景色に魅入っている。染谷聡は、漆芸における装飾行為に焦点を当て、〈風景〉をテーマのひとつとして制作している。本展に並ぶ《みしき》Vessel for Landscapeシリーズは、染谷の主観により拾得された石や枝 などの自然物に漆のうつわを与えた立体作品である。選ばれている自然物は普段わたし たちが気に留めることのないようなものばかりだが、漆で飾られることによって、特別な〈風景〉となって表される。水石や盆栽などを想わせる日本美術的な美意識、そこに紐づくあそび・かざりを眼差す染谷の作品に、コレクション心をくすぐられながら、現代的解釈 による縮景への旅を楽しんでいただきたい。
7月14日(日) 14:00より、『さまよえる工藝─柳宗悦と近代』、『柳宗悦と美』などの著者・美術史家の土田 眞紀さんをゲストにアーティストトークを開催します。

《みしき#69|発泡石》2024, 漆、発泡スチロール片、金箔、粘土など

《みしき#68|身不知柿》2024, 漆、枝、粘土など

《みしき#66|さかい》2024, 漆、石、MDF

《みしき#67|景(かげ)》2024, 漆、石、粘土

《みしき#26》2024, 漆、枝、粘土、金など

《みしき#26》2024, 漆、枝、粘土、金など

《みしき#65|さかい》2024, 漆、石、MDF